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土地のQ&A

Q&A 買ってはいけない土地、幸せに暮らせる土地の違いって何だろう?

Q.騒音、悪臭、水害、通行のしやすさ①

~天気の悪い日やいろいろな時刻に現地を訪れよう~
A.住んでみて初めて分かることも
 騒音や悪臭、水害、通行のしやすさなどは、一度くらい現地を見ただけではわかりません。ですので、異なる条件の時に、3度現地に足を運び、近隣の環境を見ることをおすすめします。
それは、朝の時間、夜の時間、雨の日です。
 
◎朝の時間帯
 実際に交通量が多い通勤時間帯に行ってみましょう。現地案内された時間帯と違って前面道路の交通量が多く、騒音・排気ガスなど気になりませんか。
また周辺住民のゴミの出し方などはどうでしょうか?ゴミ置き場付近の物件を購入する場合はチェックしておきたいところです。
 小さいお子さんがいる場合は、交通量が多い道路は交通事故の危険もありますので注意が必要です。
 また、交通量が多い道路に面していると、車庫入れも大変です。特に駐車スペースが縦列駐車の場合、運転の苦手な方には要注意です。
 
◎夜の時間帯
 夜になると近隣住民が騒がしいなど、朝・昼とはまったく違う環境を目にするかもしれません。
 あまりにも周辺が暗くさみしい道も危険です。また、公園が近くにある場合は若い人のたまり場になっていないかチェックしてみましょう。
 地域によっては、地区町村のウェブページで「犯罪情報マップ」を見ることができます。
「犯罪情報マップ」では、その場所が、犯罪の多い地域か、どのような犯罪が起きているのか確認することができます。
 
◎雨の日
 雨量が多い日に行ってみると、道路が浸水している土地があります。
 雨水が溜まる土地は地盤が低く、雨水の処理能力に欠けている可能性があります。オーバーフローしてしまう可能性がありますので注意が必要です。
 近年のゲリラ豪雨は想定を上回る雨量が短時間に集中します。地盤より低い土地の場合は、浸水にも注意しておきましょう。
  

自由国民社「買ってはいけない家と土地」より

Q.安いと思ったら所有権ではなく「借地権」①

~他人の土地を借りて、家を建て、利用できる権利って?~
A.所有権と借地権の違いを理解していますか
 建物を建てるためには「土地を利用する権利」が必要です。何も土地を利用する権利がないのに家を建てて住んでいたりしたら不法占拠ですから「出て行け」と言われるのは当然です。
 
 この土地を利用する権利で代表的なものが所有権です。他に土地を利用する権利として、地上権貸借権があります。
 そして、建物の所有を目的とする地上権または貸借権を借地権といいます。
 
 地上権と貸借権の違いは、地上権は物権、貸借権は債権と説明されます。ちょっと難しいのですが、地上権者は土地所有者に対して「地上権を登記して下さい」と請求ができるのに対して、貸借権は登記請求権がありません。ですから、貸借権の物件の登記事項説明書を見ても、貸借権を登記しているケースはほとんどありません。
 
 登記をする理由や目的は、第三者に、自分がその不動産について権利を持っていることを法律的に主張できるようにするため(第三者への対抗要件と言います)です。
 では、貸借権は登記請求権がないから、第三者に権利を主張する力(対抗力)がないのでは、と思いますが、借地借家法で借地上の建物に登記されていれば対抗できるとしています。
 次に、地上権者は地上権を自由に譲渡、転貸(又貸しのこと)できるのに対して、賃借権は土地所有者の承諾がないと譲渡および転貸はできません。
 地上権は物権と説明しましたが、これは「特定の物に対する権利」であり、貸借権は「特定の人に対する権利」と考えておきましょう。
  

自由国民社「買ってはいけない家と土地」より

Q.近所に嫌悪施設がある

~墓地や工場だって気にしない人もいれば、桜の木にいる毛虫が苦手な人も~
A.一見、よさそうに思える土地、でも、こんな問題も.....
◎植栽・大木
 嫌悪施設とは言えませんが、意外なもので注意しておきたいのは植栽や大きな木です。近隣に大きな庭を持つ地主がいて、庭にはうっそうと植栽や巨木が茂っているようなケースを思い描いて下さい。
 秋になると近所の落ち葉が自宅の敷地内に入ってきて困っているという相談を何度か受けたことがあります。掃除が大変という話から、屋根の雨どいが落ち葉で詰まったなど、思いがけない問題が出てくるようです。ご近所だから文句も言いずらいし、定期的に庭野手入れもしてくれない、と困っている人もいました。
 
 また、桜の並木沿いの物件を買った人の中には、落ちる花の掃除が大変、桜の木に毛虫が付いて困った、花見の季節になると花見客にゴミが投げ込まれるなどの問題を抱えている人もいました。
 植栽が多い街並みは「綺麗でいいな」と思いがちですが、住んでみたら大変なこともいろいろとあるのかもしれません。

自由国民社「買ってはいけない家と土地」より

Q.塀やフェンスの所有者は誰?越境物はないか?

~買う時に初めて知った.....ではなく、買う前に確認しておこう~
A.キレイな建物にそぐわない塀でも新しくすることができないなんて
 新築やリフォームを機に、古いブロック塀や門柱などの外構を綺麗にしたいと思う方も多いようです。しかし、既存の古いブロック塀などが、お隣の方が築造したものであれば、勝手に取り壊すわけにはいきません。
 
 境界標が設置されていない場合、ブロック塀などが隣接する土地の境界をまたいで設置されているケースがあります。そういう塀は、前から住んでいる隣の方が取り壊して新しいものを設置する意思がない以上、新しいブロック塀をつくるのはあきらめざるを得ません。どうしてもという場合には、現在設置されているブロック塀の内側に設置することになり、土地を有効に利用するという観点からは外れてしまいます。
 
こういったことは、買ってから問題になることがとても多いケースです。
 
 土地を購入する際は、境界標がブロック塀のどの面に設置されているのか必ず確認しましょう。
 もしも、隣地が所有するブロック塀が自分の敷地に越境している場合には、既存のブロック塀を取り壊し、新たに設置してよいか、お隣の方に相談して下さい。
 
また、ブロック塀どころではなく、隣地の建物自体が越境しているケースもあります。
 境界標が亡失していて、隣地との境界にブロック塀等の築造物が設置されていない場合などは、隣地所有の物置や室外機、建物の庇などが越境しているケースもあります。
 越境物が邪魔になり、予定していた場所に建築できない場合もありますので、注意が必要です。
 
 こういったケースでは、購入者が直接隣地の所有者に交渉してもよいのですが、不動産仲介業者に間を取り持ってもらいましょう。すぐに取壊しや移設まではできないとしても、将来建て替える時などに備えて覚書書などを取り交わしておくとよいでしょう。
 引っ越して早々近隣とトラブルになるのは避けたいところです。このあたりはプロの力を借りて円満に解決できるようにしてもらいましょう。
 

自由国民社「買ってはいけない家と土地」より

Q.騒音、悪臭、水害、通行のしやすさ②

~天気の悪い日やいろいろな時刻に現地を訪れよう~
A.隣に住んでいる人に聞いてみる
 土地を探すときにお勧めなのは、隣に住んでいる人に話を聞くことです。
 正直に「この物件を購入したいと思っている」と話せば、多くの方が快く話をしてくれます。購入したらお隣さんになると思うと、無下にはできないからです。
 私も以前、実際にいいと思っていた物件があったので、お隣の方に気になる点を聞いてみたところ、「大型ショッピングモールが近くにできてから前面道路が抜け道になり、交通量が多くなりました。子供が飛び出すのが怖いです」と教えてくれました。
 変わった人が近隣に住んでいないか、住みやすいか、困ったことはないか、子どものいる人は子育てをするのに適した環境か...など、率直に気になることを聞いてみましょう。
 初対面で聞きづらいと思うかもしれませんが、買わなければ、会う機会も話す機会もありません。割り切って聞いてみれば、見ただけではわからない情報や、住んでいる人にしか分からない地域の状況を教えてもらえるかもしれません。

自由国民社「買ってはいけない家と土地」より

Q.土地の中に埋蔵文化財が埋まっていたらどうする?

~文化財が見つかったら建築が2~3ヶ月遅れる~
A.文化財が埋まっている土地には、いい面と悪い面がある
 地中からまれに出てくる埋蔵文化財はどうでしょうか。
 建物を解体して土を掘り起こしていたら、骨?貝塚?遺跡?-実はこれ、喜んでいる場合ではありません。
 
 土地を掘削していて遺跡などが見つかると、役所に届け出なければなりません。
 何が困るかというと、遺跡調査が入ることになるため、数ヶ月は工事に着手できなくなることです。
 お金を借りて土地を購入し、金利を払っているのに、ちっとも工事が進まないという不測の事態が待っています。また、完成まで仮住まいに住み、家賃を支払っている場合は、工事の遅延により家賃の支払期間が延びることは言うまでもありません。
 文化財などの埋蔵物が見つかるのは、運が悪かったと思うほかありません。
 
 それは困る、というなら、文化財の埋まっている土地を避けて購入するしかありません。
 実は、近隣の土地から文化財が出土している付近は、文化財が出土するケースが多いのです。
 埋蔵物の出土が多い地域は役所で「埋蔵文化財包蔵地」として把握しています。
 この埋蔵文化財包蔵地になっていると、工事に着手する前に届け出をしなければならないなどの規制があります。
 
 ただ、ものは考えようで、埋蔵文化財包蔵地であるということは、古くから先人たちがその土地に住んでいたということです。
 昔の天災対策は、現在からみれば万全のものではありません。ですから、先人たちがその土地に住んでいたということは、その土地の安全性が担保されていると考えることもできるのです。

自由国民社「買ってはいけない家と土地」より

Q.素人さんは競売不動産には手を出さないのが吉①

~競売によるマイホーム取得にはリスクがある~
A.不動産の競売とはどんなシステムなのか
 近年、一般の方が競売によって物件を取得するケースも増えてきました。
 借金を返済する義務のある人(債務者)が、その義務を果たさなかった場合、支払いを受ける権利のある人(債権者)が裁判所に申し立て、裁判所が不動産を差し押さえてお金に換えるシステムが競売です。
 競売では裁判所が売主となって、入札により買主が決定されます。入札に参加して一番高い値段を付けた人が不動産を取得できるという仕組みです。
 
 マイホームを購入する方は、たいてい住宅ローンを組んで購入すると思いますが、住宅ローンを払えなくなると、最悪の場合には差し押さえられ、競売により、売却されてしまいます。その売却したお金から、金融機関などの債権者が優先的に弁済を受けることになるのです。

自由国民社「買ってはいけない家と土地」より

Q.1坪、2坪は当たり前、公簿面積と実測面積が異なる土地

~登記簿に記載された面積を信用し過ぎてはいけない~
A.公簿面積と実測面積は異なることが多い
 売買契約書などを見ると、売買される土地の面積の記載には、公簿面積実測面積の2つの種類があるのに気付くと思います。「公簿面積」というのは、登記事項証明書(登記簿)に記載されている面積で、「実測面積」とは、実際に測量した面積です。
 
 誤解してはいけないのは、登記簿に記載された公簿面積が常に正しいわけではないということです。
 私は現在、土地家屋調査士として測量業務を行っていますが、測量をすると土地の面積の多くが公簿面積とは異なります。1平方メートルの微々たる誤差もありますが、なかには20坪(約66平方メートル)以上も登記簿の地積より減歩(減少)した土地もありました。公簿面積で売買することの危険性がお分かりいただけるのではないでしょうか。
 
 売買する時は、売主が境界確定測量を行った上で買主に引き渡すのが、境界トラブルにならずに売却する方法です。「境界確定測量」とは、その土地と接している土地の全ての所有者と境界立会いを行い、境界確認書について異議がない旨の承認印を受領することで土地の面積を確定させる作業をいいます。
 ただし、境界確定測量の代金は高額で、期間も2~4か月ぐらいかかることから、公簿面積で取引されることもあります。土地の単価が安い地域では、境界確定測量を行うと売買代金がほとんどなくなってしまう物件もあり、不動産業者もケースバイケースで公簿面積による売買と実測面積による売買を使い分けているようです。
 
 購入者が境界に関する書面としてチェックすべきものは、境界確認書と地積測量図です。
 また、境界標の種類にもコンクリート杭、金属標、鋲など、いろいろな標識があります。図面で表示されたとおりの境界標が設置されているか、現地で確認しましょう。

自由国民社「買ってはいけない家と土地」より

Q.素人さんは競売不動産には手を出さないのが吉②

~競売によるマイホーム取得にはリスクがある~
A.ひと昔前は不動産業者しか手を出さなかった
 昔は不動産業者のような実務に詳しい人が競売の入札に参加し、安い価格で不動産を取得して転売することが多かったのですが、近年では一般の方の参入も増えてきました。
 ただし競売で不動産を入手することはリスクもあるので、よほど不動産の実務に精通されている方でないとお勧めはしません。
 よく言われるのが占有者が居座っていたり、所有者が出て行かないといったケースです。このような場合、立ち退き交渉などは素人では対応しきれないことが多々あるのです。
 
 競売になる前に、なぜ任意売却しなかったのか考えてみて下さい。
 差し押さえられて競売になると、市場価格より安く売却されるのは分かりきっています。
ですから、債務者は、まずは市場価格により近い値段で売却する方法(任意売却)を検討するはずです。
 ところが、任意売却をするには、債権者である金融機関などの承認が必要になります。金融機関は売却することによって優先的に返済してもらえるようであれば、承認するでしょうが、他に債務の連帯保証人が付いている場合や、優先して弁済が受けられない場合などは、承認を得るのが難しくなってきます。
 また、物件自体に問題がある場合、例えば再建築不可の物件、既存不適合物件などは高く売却できる可能性が低く、任意売却は難しくなります。
 このように、任意売却にならなかった物件が競売不動産として出てくるケースもあることから、一般の方が取得するには少しハードルが高いと思うのです。
 
 競売不動産は仲介業者を通さないので、問題が起こっても自己責任で対応しなければなりません。
 
 とはいえ、競売で入札に参加して物件を取得することには、もちろんメリットもあります。一番のメリットは、やはり市場価格より安く手に入るということでしょう。
 興味のある方は、不動産競売物件情報サイトで「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」をダウンロードしてみましょう。
 物件明細書、現況調査報告書、評価書には物件の詳細が書いてあります。ここに書かれている内容が理解でき、現地のトラブルにも対応できるようであれば、競売で不動産を入手することを検討してみてもいいかもしれません。思わぬ掘り出し物に出会える可能性もあります。
 

自由国民社「買ってはいけない家と土地」より

Q.高低差のある土地は不適格擁壁と盛土に注意①

~一般的に盛土は切土に比べて地盤が弱い~
A.擁壁を作り替えるために何百万円もかかるケースもある
 高低差のある土地に設置してある擁壁についても注意が必要です。
 擁壁とは、宅地を造成するときにト社が崩れるのを防ぐために設けるコンクリートやブロック等の構造物のことです。
 
 2メートルを超える擁壁を設置する場合は、建築基準法で確認申請を提出することが義務付けられています。
 しかし、法律が施行される前に築造されたもの、確認申請をしていないもの、検査済証のないものが見受けられます。
 このようなものを不適格擁壁といい、老朽化したものについては倒壊するなどの危険性があります。
現地において確認すべき点は、擁壁にひび割れなどがないか、目地に上下のずれなどはないか、擁壁が傾いていないか、たわんでいないかなど、目視で確認してみましょう。
 また、擁壁には水を逃がすように水抜き穴を設けています。この水抜き穴がないと排水機能が低下するので倒壊の原因となります。
 
 重要事項説明書で擁壁についての記載がない場合は、不動産業者に調査してもらい、確認申請及び検査済証の交付を受けた擁壁なのか確認しましょう。
 
 また、擁壁が必要な土地では、崖地条例や宅地造成規制法などの規制により、擁壁を新しく施工する、または補強工事を行う、もしくは崖地の部分から何メートルか話して建物を建築するなどの指導が入る可能性があります。
 
 擁壁を作り替えるのに何百万も費用がかかるケースもありますし、崖地部分から何メートルか離して建築するという条件も、後退して残った土地では建築できるスペースがない場合もあります。
 

自由国民社「買ってはいけない家と土地」より

Q.ないにこしたことはない「私道の負担」

~私道の注意点を確認しておきましょう~
A.私道部分も合わせての所有権移転登記を忘れずに
 接する道路が私道の場合、重要事項説明書で「私道負担の有無・有」などと記載されているケースがあります。この私道負担とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
 
 私道を通らなければ家に入れない物件では、金銭を負担することがあります。名目は通行料、承諾料、私道負担金などさまざまです。私道負担〇平方メートル・負担金〇円と記載してある場合は、どういった内容のものなのか確認しておきましょう。
 一般的には、売買において私道部分(道路部分)は無対価で取引されます。
 これは建物の敷地と私道部分を含めて取引可能な土地であり、私道部分に所有権や持分を所有していないと、そもそも接道がない土地ということで、売り物にならないからです。
 重要なのは、私道部分の所有権や持分も、建物が建っている土地と一緒に所有権移転登記してもらうことです。
 私道部分の所有権移転登記を忘れているケースがありますが、私道部分の所有権や持分が登記簿上でもはっきり確認できないと、売却する際には売り物になりません。
 
 また、上下水道などを引き込む場合は、道路所有者の「掘削承諾」を得なければなりません。ライフラインの引き込みはお互い様なのであまり問題はないように思いますが、他の私道所有者の協力が得られないと道路の掘削一つにしても苦労します。
 建物の取り壊しの際や新築工事の際にも指導に車両を置くことが多くなるため、他の私道所有者への挨拶も欠かせません。
 
 接している道路が私道で、私道負担のある土地は、公道に接している物件より手間がかかると思っておいた方がよいでしょう。
 

自由国民社「買ってはいけない家と土地」より

Q.意外と制約が多い「建築条件付き土地」

~建売住宅と注文住宅の中間的存在~
A.どこまで自分の意向が設計に反映できるのか
 チラシなどで「建築条件付き土地」とか「建築条件付き売地」という記載を見たことはありませんか。
 
 新築の建物を取得する方法としては、次の3つに分けることができます。
①土地を用意し、自由に設計する「注文住宅」を建てる
②業者が建てた「建売住宅」を土地付きで買う
③住宅会社と建築請負契約を結ぶことが条件となっている「建築条件付き土地」を買い、建物を建てる
 
 ③の建築条件付きの土地を購入した場合は、請負契約を交わした住宅会社に家を建ててもらうことになるので、意中の建築会社がある場合はお勧めしません。
 特に住宅業者を決めていないなら、設計プランから自由に決められるケースでは、自分好みの建物を建てることもできます。
 
 ①の注文住宅を建てる場合と比べて、建築条件付き土地を購入するメリットは、土地を探す面倒がない点です。
 注文住宅を建てたくて土地から探す方もいるのですが、よい土地と巡り合うことはなかなか難しいのが現実です。なぜなら、売却する土地が市場に出ると一番早く目を付けるのは当然不動産業者だからです。
 立地のよい土地なら業者が土地を仕入れて建物を建てて売った方が利益になります。立地のよい土地が出ないか、各業者が毎日目を光らせて探しているのです。
 結果として、立地のよい土地は、建売住宅用地、建築条件付き土地、マンション用地となることが多く、立地のよいところで注文住宅用の土地が流通することは少ないのです。
 ですから建売住宅よりは自由度が高く、注文住宅にするには土地を探すハードルが高いと思う方などは、その中間にある建築条件付き土地もお勧めです。
 
 建築条件付き土地で注意してほしいのは、建築条件付き土地でも、自由な設計にならないこともある、ということです。
 建前としては、設計担当者と打ち合わせをしながら、自分だけのオリジナルの建物が建てられるといううたい文句で契約までこぎつけるのですが、実際は数パターンの中から選べるだけといったケースもあり、注文住宅並みに自由にできると考えていた買主とトラブルになるケースがあるようです。
 
 たしかにLDKは日当たりのいい南側に、そして駐車スペースなどもおのずと決められてしまいます。あとは水回り(トイレ・風呂・キッチン・洗面台など)ですが、水回りは配管の関係上、近い位置に配置される場合がほとんどです。離れた場所に水回りを設置する場合、配管をその場所まで分けて通すことになり、予算がかなり膨らんでしまうので、現実的ではありません。
 
 さあどうでしょう。ここまでくると、確かに自由設計と言われながら一般の人が家の間取りを一から考えるのは至難の業といえそうです。
 もちろん仕様については、階段に手すりをつけたい、吹き抜けを設けたい、子ども部屋は子供が小さいうちは一つの大きな部屋として利用して、子どもが成長したら壁を設けて2つの部屋に分けるようにしたい、といったプランニングくらいはできると思います。
 
 どこまで自分の意向が設計に反映できるのかーーー、建築条件付き土地では、この点を十分確認した上で契約するかどうか決めた方がいいでしょう。
 

自由国民社「買ってはいけない家と土地」より

Q.高低差のある土地は不適格擁壁と盛土に注意②

~一般的に盛土は切土に比べて地盤が弱い~
A.大規模に盛土した地域は、外見からは判別がつきにくい
 また、土地を造成する方法として、盛土や切土をするケースがあります。
 盛土とは土を盛って造成すること、切土とは地山を削って造成することですが、一般的に盛土は切土に比べて地盤は弱いとされています。盛土の土地では、崖崩れや地すべりなどの災害が発生する危険性も十分考えられるのです。
 大規模な盛土については、外見では判断が難しいので自治体によっては、大規模盛土造成地マップを公表しています。
 このマップを参照すると大規模に盛土造成された地域が把握できますので、購入地が該当するかどうか確認することができます。
 大規模盛土造成地に該当するからといって地震時にそこが滑動崩落する場所であるとは限りませんが、参考までに取得してみることをお薦めします。
 

自由国民社「買ってはいけない家と土地」より

Q.安いと思ったら所有権ではなく「借地権」②

~他人の土地を借りて、家を建て、利用できる権利って?~
A.借地権のメリットとデメリット
 借地権の土地に建物を建てた場合のメリットとデメリットを考えてみましょう。ここでは定期借地権の前提で記載していきます。
◎メリット
 ①通常の価格に5~7%割程の値段でマイホームを持つことができる。
 ②値段が安いので、通常より立地のよい場所に住むことができる。
 ③土地の固定資産税を支払わなくてよい。
◎デメリット
 ①資産として残すことができない。
 ②借地期間の更新がない。立退料を請求できない。
 ③土地を更地にして返却するので、建物解体費用が必要になる。
 ④土地所有者に地代を支払う。
 
 さあ、いかがでしょうか。あくまでも自分のものにならないと意味がないと考える方には向きませんが、その土地を使うのは自分の代で終わればいい、と考える方にはお勧めかもしれません。
 親はマイホームを所有していて、成人した子供たちも別の場所にマイホームを所有しているーー近年ではこういうケースも多いものです。また、現役世代である子供たちは転勤で日本中を転々としていたり、仕事で海外に行ったきり、などという話も聞きます。
 
 親が亡くなって相続が起きても、子供たちが親の持っていた土地・建物に住む可能性はなく、相続の手続きをした後、親が持っていた不動産を売却するというご家族も多いのではないでしょうか。
 そうであれば、長期で多額のローンの負担が少ないということから、借地権付きの物件を選ぶのも一つの方法かもしれません。
 ただし、借地権の物件の数はそう多くはないので、興味がある方は不動産業者に情報提供を呼びかけておきましょう。
  

自由国民社「買ってはいけない家と土地」より